2025年度オープンラボ
2025年度授業科目
S1:生涯学習論基本研究Ⅰ(牧野 篤)
A1:生涯学習論特殊研究Ⅰ(李 正連)
A2:生涯学習論特殊研究Ⅱ(新藤 浩伸)
S2:持続可能な未来を拓く変革の学習・教育(二ノ宮リム さち)
集中(8-9月):プログラム評価論(安田 節之)
通年:生涯学習論論文指導(李 正連、新藤 浩伸)
授業概要(シラバス)
生涯学習論基本研究Ⅰ(Theory of Lifelong Learning Ⅰ)
担当教員:牧野 篤
授業の目標・概要: 社会教育学・生涯学習論を学び、研究するための、院生各自の基本的な視点・研究の枠組み・方法論を形成するための基礎的な訓練とその発展を、文献の講読と検討およびフィールド調査によって、集団的に進める。ただし、コロナ禍の影響もあり、フィールド調査ができない可能性も高いため、基本的には文献講読とする。今年度は昨年度に引き続き「社会基盤としての社会教育再考」を大きなテーマにとりあげる。文献研究の中心的なテーマは「社会教育のとらえ返し」とし、戦後に構想され、急速に社会に普及した社会教育・生涯学習の理念や機能に対して、どのような議論がなされ、それがどのような社会的な要請を背景にしていたのか、その結果、社会教育や生涯学習の概念はどのように変容したのか、そしてそれはどう実践されてきていて、それを今度どう実践していくべきなのかをとらえ、社会教育・生涯学習の実践のあり方への理解を通して、教育・学習という営みと社会とのかかわりを理解する。
臨時教育審議会の資料なども活用する。
授業計画: 社会教育学・生涯学習論を学び、研究するための基本的な「構え」の形成とその展開を促すために、社会教育学・生涯学習論とくに公民館に関する古典的な文献とともに、最新の研究成果をレビューする。さらに、フィールド調査を重ねることで、その応用を学ぶとともに、院生各自の基本的な研究の視点と枠組みを発展させることを支援する。調査報告書を作成することで、研究論文の書き方などを習得する。
文献講読を中心に進める。
基本的に対面開講とする。
対面参加に不安を感じる受講者には、オンラインでの参加を認めるので、事前に連絡すること。
教科書:牧野篤『発達する自己の虚構—教育を可能とする概念をとらえ返す』(東京大学出版会、2021年)を基本的テキストとして使用する。各自準備しておくこと。
参考書:牧野篤『社会づくりとしての学び—信頼を贈りあい、当事者性を復活する運動』(東京大学出版会、2018年)
牧野篤『公民館はどう語られてきたのか—小さな社会をたくさんつくる・1』(東京大学出版会、2018年)
牧野篤『公民館をどう実践してゆくのか—小さな社会をたくさんつくる・2』(東京大学出版会、2019年)
牧野篤『人生100年時代の多世代共生—「学び」によるコミュニティの設計と実装』(東京大学出版会、2020年)
牧野篤『社会教育新論—「学び」を再定位する』(ミネルヴァ書房、2022年)
牧野篤『「ちいさな社会」を愉しく生きる—広い世界から深い宇宙へ』(さくら舎、2024年)
ほか、適宜紹介する。
生涯学習論特殊研究Ⅰ(Seminar in Lifelong Learning Ⅰ)
担当教員:李 正連
授業の目標・概要:社会教育学・生涯学習論を学び、研究するための、院生各自の基本的な視点・研究の枠組み・方法論を形成するための基礎的な訓練とその発展を、文献の講読と検討およびフィールド調査によって、集団的に進める。
授業計画: 社会教育学・生涯学習論を学び、研究するための基本的な「構え」の形成とその展開を促すために、社会教育学・生涯学習論に関する古典的な文献とともに、最新の研究成果をレビューする。
教科書:各テーマに応じて指定する。
参考書:適宜紹介する。
生涯学習論特殊研究Ⅱ(Seminar in Lifelong Learning Ⅱ)
担当教員:新藤 浩伸
授業の目標・概要:「生涯学習」の再定義―ユネスコ生涯学習論から生涯教育論の提唱から2025年で60年となる。加えて、日本では「生涯学習」の語が浸透して40年ほどとなるが、その捉え方は現代社会の動向に見合ったものになっているだろうか。アップデートが必要だとすればどのような点においてなのか。近年のユネスコ文書の講読を通じて皆で考えてみたい。
授業計画:文献講読を中心に進める。
教科書:"Making lifelong learning a reality: a handbook"UNESCO Institute for Lifelong Learning, 2022
以下よりオンライン全文アクセス可能
https://unesdoc.unesco.org/ark:/48223/pf0000381857
参考書:佐藤一子『生涯学習と社会参加―大人が学ぶことの意味』東京大学出版会、1998
長岡智寿子、近藤牧子編著『生涯学習のグローバルな展開―ユネスコ国際成人教育会議がつなぐSDG4の達成』東洋館出版社、2020
持続可能な未来を拓く変革の学習・教育(Transformative Learning/Education for Sustainable Future)
担当教員:二ノ宮リム さち
授業の目標・概要:あなたにとって、わたしたちにとって、「持続可能性」とは、「教育」「学習」とは、「変革」とは、なんだろうか。この科目では、ESD(持続可能な開発のための教育)やシティズンシップ教育の概念と、わたしたちが生きる社会のあり方を探索しつつ、持続可能な未来へ向けた人間や社会の変容・変革プロセスとしての教育・学習について考え、この問いに自分なりの答えを導きだすことを目指す。
What do “education,” “learning,” “sustainability,” and "transformation" mean for you, and for all of us? In this course, we will explore this question by looking into the concept of education for sustainable development (ESD) and citizenship education, and reviewing the world that we live in, while discussing education and learning as a transformative process of people and society.
授業計画:
1)イントロダクション:持続可能性とは何か~普遍的理念?空っぽの記号?
2)持続可能な開発のための教育(ESD)~「環境教育」「学習権保障」二つの経緯をたどる
3)「持続可能な開発」は「教える」「学ぶ」ことができるのか
4)環境教育と変革の学び
5)シティズンシップ教育と変革の学び
6)持続可能な未来を拓くワークショップ実践
7)わたし(たち)にとっての「持続可能性」「教育」「学習」「変革」とは
教科書:関連する資料、教材を適宜提示する。
参考書:二ノ宮リムさち・朝岡幸彦(編著)2023,『社会教育・生涯学習入門―誰ひとり置き去りにしない未来へ』,人言洞
日本社会教育学会(編)『SDGsと社会教育・生涯学習 日本の社会教育 第67集』101-113, 東洋館出版社.
二ノ宮リムさち・高梨宏子(編著)(2024)『地域から学ぶ・世界を創る―パブリック・アチーブメントと持続可能な未来』学文社.
池谷美衣子・田島祥・二ノ宮リムさち(編著)(2024)『人生を拓く・社会を創る―シティズンシップの学び』学文社.
阿部治・野田恵(編著)(2019),『知る・わかる・伝えるSDGs I 貧困・食料・健康・ジェンダー・水と衛生』,学文社.
阿部治・二ノ宮リムさち(編著)(2021),『知る・わかる・伝えるSDGsII エネルギー・しごと・産業と技術・平等・まちづくり』,学文社.
阿部治・岩本泰(編著)(2022),『知る・わかる・伝えるSDGsIII生産と消費・気候変動・海の豊かさ・陸の豊かさ・平和と公正』,学文社.
阿部治・朝岡幸彦(編著)(2022),『知る・わかる・伝えるSDGsIV 教育・パートナーシップ・ポストコロナ』,学文社.
プログラム評価論(Theory and Methods of Evaluating Programs)
担当教員:安田 節之
授業の目標・概要:教育機関や企業組織そして地域コミュニティには、対人援助・人材育成・組織開発・地域活性化などを目 的とした多種多様な実践活動が存在する。これらの実践・介入活動に対して説明責任や科学的根拠(エ ビデンス)が求められる時代となっている。本授業では、様々な実践・介入活動をプログラムとして客観的 に捉え、その結果や効果を評価し、活動の質向上につなげるための方法論を学ぶ。 プログラムの価値 は、経済的指標などで捉えることが困難な個人や集団に対する教育的・心理的効果として現れることが 多いため、社会調査・実験心理学・心理測定といった方法論との親和性が高い。この授業では、プログラ ムを客観化・可視化する手順をまず習得したうえで、具体例を通してプログラムを実証的に評価するため の方法を学ぶ。
授業計画:本講義は「第I部 社会的排除(第 2 回~6 回)」「第II部 排除型社会への対抗戦略(第 7 回~10 回)」 「第III部 地域学習を基盤とした知の創造過程(第 11~14 回)」からなる。
第1回:イントロダクション
第2回:コロナ禍と社会-命と暮らしを守る社会を取り戻す
第3回:社会的排除とは何か
第4回:社会的排除と 格差社会論争
第5回:社会的排除とリスク社会
第6回:社会的排除と貧困概念
第7回:排除型社会とコミ ュニティ
第8回:排除型社会における共同・協同・協働
第9回:社会的排除と闘う社会的企業-ワーカーズ コープと協同労働
第10回:協同労働が切り拓く未来
第11回目 地域学習を基盤とした知の創造過程
第12回目 協同労働の社会化と学び合うコミュニティ
第13回目 学びの主体から当事者へ
第14回目 総括 討論とまとめ
教科書:安田節之 『プログラム評価:対人・コミュニティ援助の質を高めるために(ワードマップ)』新曜社,2011年
参考書:Shadish, ,W. R., Cook, T. D., & Leviton, L. C. (1991). 『Foundations of Program Evaluation: Theories of Practice』 Sage.
安田節之・渡辺直登(2008)『プログラム評価研究の方法』新曜社(6章・8章・9章)
生涯学習論論文指導 (Dissertation Research in Lifelong Learning)
担当教員:李 正連、新藤 浩伸
授業の目標・概要:博士論文・修士論文をはじめとして、社会教育・生涯学習関連の研究論文を作成するための、研究方法 論検討及び執筆の指導を行う。 受講者による研究発表と相互の議論を通して、また先行研究の検討を 通して、オリジナリティある論文執筆のあり方について考える。 必要に応じて、個人指導・ゲストを囲む合評会などを考えたい。
授業計画:院生諸君の必要に応じることを基本として、論文作成支援・論文作成指導を行う。個別指導と終端的な検討・討議を通して、各自が研究方法論を鍛えるとともに、論文作成へのモチベーションを高め、維持するとともに、質の高い論文とはどういうものであるのかというイメージを作り上げる支援を行う。
教科書:なし
参考書:必要に応じて適宜紹介する。
時間割
S1ターム
ダウンロード 2025/4/21更新
S2ターム
ダウンロード 2025/4/21更新
A1ターム
ダウンロード 2024/10/3更新
A2ターム
ダウンロード 2024/11/28更新
集中講義
ダウンロード 2025/4/2更新